2000 ISU FOUR CONTINENTS
FIGURE SKATING CHANPIONSHIP
in Osaka 22−27,2000

前夜1日目2日目

 初めて降り立つ大阪駅。ひとまず身なりを整えねば……てーかもうまったくの昼でございます。寝ぼけ眼でふらふらしているのは私くらいのものです。案の定駅のトイレは混んでいます。でも他に見つけるのも大儀なので時間を気にしつつ並びます。あう、寝癖がついているわ……。
 特急料金を返してもらえるとのことだったので、精算所に向かいます。ただでさえ厳しい財政にちょっとゆとりができました。でも改札を抜けてしまったので切符を買い直しです。んん〜大阪市内まで有効だったのに。まあいいか。
 M田さんのメイルを頼りに環状線を探します。積極性が東北人とは一桁違う(気がする)大阪人の波をくぐり抜け、環状線に乗り込み、地下鉄中央線で大阪プールに向かいます。朝潮橋駅に降り立ったらなんと雪が降ってまいりました。大阪なのに何故雪が降るのじゃと理不尽に怒っております。しかもやや寒いです。東北の寒さに日々さらされているとはいえ、寒いものは寒いのです。
 おっと、看板が出ているぞ。これなら無事にいけまするぞ〜ありがとうM田さん、ほんとに助かりもうした〜。これは是非何かお礼をせねばなりますまい。
 行ったからには最低パンフレットを買わねば。しかしこのパンフ、フォルダに入ってる写真集って感じなのです……綴じてないんだもの〜。ばらけて見づらいっちゅーねん。しかもスポンサーの広告と選手のプロフィールくらいで、タメになる記事はないのでございます。去年のオープンフィギュアのパンフには本田君特集がありました……アタシは買えませんでした……(とっくに売り切れてたの) それにしても知らない選手ばかりだなあ……おお、ティモシー・ゲーブル君が出ておりまするぞ。ゲーブル君は先のN杯で良かったのでちょっとファン。でも競技には出ておりませぬ……(泣) なんなのですゲーブル君? 休場ですか? そういえば女子の誰だったかも休場でしたな。ミッシェル・クワンだったか結構すごい選手でした。ろくに憶えていないのは特にファンでもないからですな……。
 男子シングルの出場者は24人。んん、見応えございますねぇ。何々、メキシコ? 大韓民国? この国の選手は初めてですねぇ。韓国でもスケートやってるのかー。しかもロシアのプルシェンコ君は出てないのか(ちょっとかっくり)。……ん? 李成江? ’98年のN杯でアタシのココロをきゅっとつかんだあの李君ですね? 一年ぶりですよ李君! 来た甲斐ありましたよ〜(満足)
 さて肝腎の競技ですが。六人ずつ四グループに分かれてまして、我らが本田君は二組目の三番目です。SPの組分けは多分ランダムだと思うんですが、一グループ目の点数のカラいこと辛いこと……実力順なんじゃないかと疑ってしまいました。特にメキシコの選手がひどかったのですよ。最初に滑った中国のユンフェイ・リー君が、自分でもガッツポーズするくらいの出来でいい感じだな、と見てたんですが、二番目のメキシコ君が2.9だったかをテクニカルメリットでジャッジされてしまいました。おいおい二点台のジャッジは初めてみたよ……でもそれにとどまらず、他二人のメキシコ君には何と一点台が出たのです。1.9だったかな? 
 採点基準によると、 2.0〜2.9が「劣る」で、0.1〜1.9は「非常に劣る」なわけですよ。どう転んでも劣るなわけで、おいおいそりゃねーだろって思ったんですが、実際いかんなーって感じの演技でした。音楽に乗り切れてないというか、覇気がないというか、ミスってしまったらそのままずるずると沈んでってるような演技。観てて寂しかったです。痛々しいとでもいうのかな、「がんばれ」ということさえできないような。確か三人目のメキシコ君が「ボレロ」を使ってたのだけど、あーゆーう単調な曲こそ技術で魅せるところだと思うんで、まずい選曲だなぁと思いました。聞き慣れた曲だけに、演技とかみ合ってないってのがめちゃくちゃわかってしまって。
 さてさて我らが本田君の出番です。次はエルドリッジ先生です。おや、本田君のこの衣装は初めてみますね。いつもスタンドカラーだったのに、今回はへちまカラー(が正しいのかは不明)の王子さまスタイルです。黒いベストとパンツに、白い襟と白い袖。ベストの裾を金色で縁取っています。はっきり言って可愛いです。金色のラインが腰より少し下にあって、ぴったりしたベストか腰のラインを強調しているように思えるのは私だけでしょう。なにげにえっちです。はい、すみません。
 演技はN杯のと同じでした。うーんと、ちょっとクラシック。曲名が出てきません……。
 N杯で壁に激突してるから、観てるほうは気が気でないです。でもどうやら四回転もクリアしたらしく、歓声と拍手が大きくなってます。ああーがんばれ本田君、そのまま突っ走れー!と思ったのもつかの間、何だか変な3回転。ここで彼は、コンビネーションジャンプに失敗し、一回で終わってしまったのです。おかげでテクニカルメリットは大幅な減点を食らってしまいました。決められた要素をこなせないとどんどん減点されるのね。ペアだとわかりやすいですが、どの組も同じようなこと(リフトとかへペアスピンとか)をやってるのは、これなのですよ。しかしその辺がわかってきたあたり、自分ちょっと慣れてきたなぁと言う気がしないでもありません。
 プレゼンテーションはかなり高得点なんですけどねぇ、本田君。次のエル先生にさっさと抜かれてしまいました。このあとに李君が待ってるし、本田君の順位が心配でなりません……。
 フィギュア界のジャニーズ、田村岳斗君は三組目の3番目。N杯と同じ「クリムゾン・タイド」で滑っております。相変わらずいい男です。投げ込まれる花束でリンクが埋まっております。さすがです。彼はそろそろ20代に突入するんですが、いつまでジャニーズと呼ばれるのでしょう? ああでもJrと呼ばれているわけではないからかまいませんね。
 愛しの李君は三組目の1番目。スパッツを使い回してますね李君……きっとあんまり衣装持ちではないんですね。黒いパンツに黒のTシャツで、大変寒そうです。私の近くにいたおねいちゃんたちが、李君のスパッツの模様について語り合っています。何が描いてあるのかって、三角模様と渦模様ですからおねいさんちゃんたち。そんなに一生懸命話し合うことでもないですよ。
 李君のスケーティングは正にスケーティングで魅せてくれます。さすが雑伎団の国です。ひとつひとつの動作が、緩やかに流れる大河のようで、スキと無駄がありません。一昨年のN杯で言われていた「何もしない部分」を克服したんでしようか、表現力にも深みが増してきたように思います(この辺かなり欲目)。さすが京劇の国です。覇王別姫です。さらば我が愛です。有無を言わさぬ高得点なのにクールなあなたが素敵……。
 韓国の選手は軒並み変な衣装でしたな。全身銀色で宇宙服っぽいのとか。動きにくいんちゃうか? 髪型も似ているし、韓国だなぁ、と妙な感心をしてしまいました。ごめんよ、韓国の人。
 
 SPは本田君六位という結果になりました。何しろ中国勢がぐいぐいといい演技をしてくださいまして、上位6人の内半分は確か中国勢なのです。李君も入ってます。それからエルドリッジさんとストイコ先生(どうしてか先生と呼びたいこの人)、本田君、で6人。正直、厳しい位置ですな。なんかいまいち不調っぽい本田君が、この五人をどこまで抜けるんだろう? それに、本田君がいい演技をしても、他の人がもっといい演技をすれば抜くに抜けないわけですから、SPで三位くらいになってないと表彰台に上るのは難しいでしょう。ああ、アタシったら冷静です。
 そしてアタシはそのあとのアイスダンスの競技をあえてキャンセルしました。競技開始まで40分の間があるとアナウンスされた時点で思い切って席を立ちました。なぜなら原稿が待ってるからです(泣) アタシは数時間が惜しいのです。おフランス組がでているならともかく、知った選手が一組もないという状況であたしは待てませんでした。
 しかしホテルは遠かった……初めての道ですからよけいにそう思うのですが、駅と駅のちょうど真ん中にあって、どこで降りても程良く歩くのですよ。しかも近いコンビニまで10分。持ち込みは行かんと知りつつ買い込みましたさ夜食夕食。フロントが思ったより豪勢でぶったまげましたがね。ちょっとしゃれた一張羅の奥様とかお子さまとかおっさまとかぞろぞろいる中に、一見学生臭い若人がぼやんと突入すりゃ、注目も浴びてしまいますわな。慣れてますけどね。
 お部屋は、大阪城が見える向きでした。あれが噂に聞く通天閣かぁ。金のしゃちほこだぁ。でも観光に行く間もなくアタシは原稿用紙を広げます。そうそう、テレビ放映があるんだった。大阪ならTBSが観られるでしょう(現在地にTBSは入りません/泣)。 と言うわけで放映を観ながら修羅場です。大阪城がライトアップされています。日が落ちていきます。
 うん、やっぱりコンビネーション失敗だったんだよね。本田君はいっぱい写してもらってインタービューまでされてるよ。「頭ではわかっているけど体が動かない」。そんなことを言っています。……君ねぇ、なんでそう、自分を甘やかすかな? 泣くのはいいけど(今回は泣かなかったかな)こういう発言は時々腹が立ちます。君一人強くあれとはいわないけれど、もっと自分に厳しくなってほしいと思うんだよ。

 大阪城のライトが消えました。もう夜中です。寝ずに原稿進めるつもりだったけど、何だか限界だ。なんか最近ゆっくりホテルに泊まってない気がするなぁ。ひとまず、もう寝ましょう。

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